マット・ソーラムのバンド遍歴|ガンズ以外の活動も解説

ガンズ・アンド・ローゼズの黄金期を支えたドラマーとして知られるマット・ソーラム。しかし彼のキャリアは、ガンズだけで語り尽くせるものではありません。ザ・カルトやスラッシュズ・スネイクピットをはじめ、数々のバンドやプロジェクトで活躍し、ロックシーンに確かな足跡を残してきました。

本記事では、マット・ソーラムのバンド遍歴を軸に、ガンズ以外での活動やドラムスタイルの変化、現在の近況までを分かりやすく解説します。彼がなぜ多くのミュージシャンから信頼され続けるのか、その理由が見えてくるはずです。

目次

マット・ソーラムの経歴|ガンズ・アンド・ローゼズ加入までの道のり

マット・ソーラムは、ガンズ・アンド・ローゼズの黄金期を支えたドラマーとして広く知られておりますが、その成功に至るまでには長年にわたる下積みと多様な音楽経験がありました。本章では、マット・ソーラムがどのような音楽環境で成長し、いかなるキャリアを経てガンズ・アンド・ローゼズへ加入するに至ったのかを、時系列に沿って詳しくご紹介いたします。

ロサンゼルスでの音楽活動初期

マット・ソーラムは1960年11月19日、アメリカ合衆国カリフォルニア州ミッションビエホにて誕生されました。10代の頃よりドラムに強い関心を持ち、ジョン・ボーナム(レッド・ツェッペリン)やイアン・ペイス(ディープ・パープル)といった名ドラマーから大きな影響を受けております。1970年代後半から1980年代初頭にかけて、ロサンゼルスのライブハウスやクラブを中心に演奏活動を行い、実践を通じて演奏技術を磨いていきました。当時のLAはハードロックやグラムメタルが隆盛を極めており、彼もその激しい競争環境の中で経験を積み重ねていったのです。

セッションドラマーとしての下積み時代

プロキャリア初期のマット・ソーラムは、特定の有名バンドに所属する前に、セッションドラマーとして多くの現場を経験されました。スタジオレコーディングやライブでの代役など、幅広い仕事をこなす中で、ジャンルを問わず安定した演奏ができるドラマーとして評価を高めていきます。この時期に培われた正確なテンポ感と、楽曲全体を俯瞰するアンサンブル意識は、後のキャリアにおいて大きな強みとなりました。使用機材としては、当時からタマのドラムキットを中心にセッティングされており、芯のあるスネアサウンドが特徴的でした。

ザ・カルト加入によるキャリアの飛躍

1989年、マット・ソーラムはイギリス出身のロックバンド、ザ・カルトに加入されます。この加入は彼のキャリアにおける大きな転機となりました。アルバム「Sonic Temple」の制作およびツアーに参加し、「Fire Woman」や「Edie (Ciao Baby)」といった代表曲で力強いドラミングを披露されています。本作は商業的にも成功を収め、ザ・カルトは世界規模のツアーを展開しました。この成功により、マット・ソーラムの名は一気に音楽業界内で広く知られるようになります。

ハードロックシーンでの評価の高まり

ザ・カルトでの活動を通じて、マット・ソーラムはハードロックシーンにおいて高い評価を確立されました。特に、ライブにおける安定感と、ギターサウンドを引き立てるリズム構築力は、多くのミュージシャンから信頼を得ております。テンポのブレが少なく、長時間のステージでも演奏の質を維持できる点は、プロドラマーとして非常に重要な要素であり、彼の評価をさらに押し上げる結果となりました。

プロミュージシャンとの人脈形成

ツアーやレコーディングを重ねる中で、マット・ソーラムは多くの著名ミュージシャンと交流を深めていきます。ザ・カルトの活動を通じて、スラッシュ、ダフ・マッケイガン、イジー・ストラドリンといったガンズ・アンド・ローゼズのメンバーとも接点を持つようになりました。演奏技術だけでなく、現場での誠実な姿勢や高いプロ意識も評価され、信頼関係を築いていったことが、その後のキャリアに大きく影響しています。

ドラマーとして確立されたプレイスタイル

ガンズ・アンド・ローゼズ加入以前の段階で、マット・ソーラムのドラミングスタイルはすでに完成度の高いものとなっておりました。過度なテクニックを誇示することなく、楽曲のグルーヴを最優先する姿勢が特徴です。シングルペダルを主体としたキックプレイや、ライドシンバルとハイハットを巧みに使い分ける表現力は、ハードロックに非常によく適合していました。

ガンズ・アンド・ローゼズ加入直前の状況

1990年、ガンズ・アンド・ローゼズはドラマー交代という重要な局面を迎えます。スティーヴン・アドラー脱退後、安定した演奏力を持つ後任が求められる中で、候補として浮上したのがマット・ソーラムでした。リハーサルやセッションを通じて、「Welcome to the Jungle」や「Paradise City」といった既存楽曲にも違和感なく対応できることが証明され、正式メンバーとして迎え入れられます。こうして彼は、「Use Your Illusion I」「Use Your Illusion II」という歴史的アルバム制作に参加することとなりました。

マット・ソーラムのドラムスタイルと評価

マット・ソーラムのドラミングは、派手なテクニックを前面に出すのではなく、楽曲全体を力強く支える安定感と重厚さを重視している点が大きな特徴です。ガンズ・アンド・ローゼズやザ・カルトといったバンドにおいて、彼のプレイはサウンドの基盤として高く評価されてきました。本章では、マット・ソーラムのドラムスタイルの具体的な特徴と、音楽業界およびファンからの評価について詳しく解説いたします。

パワーと安定感を重視したドラミング

マット・ソーラムのドラミングにおける最大の特長は、非常に安定したテンポキープと、芯のあるパワフルなキックサウンドです。アルバム「Use Your Illusion I」「Use Your Illusion II」に収録されている「You Could Be Mine」や「Don’t Cry」では、楽曲のダイナミクスを損なうことなく、ギターリフとボーカルをしっかりと支える役割を果たしています。過度なフィルインを控え、必要な場面でのみ効果的なアクセントを加えることで、楽曲全体の完成度を高めている点が高く評価されています。

ハードロックとの高い親和性

マット・ソーラムのドラミングは、ハードロックやヘヴィロックとの相性が非常に優れています。スラッシュの重厚なギターサウンドや、アクセル・ローズのダイナミックなボーカルに対して、的確で安定したビートを提供できる点が強みです。「November Rain」のようなバラードでは抑制の効いた繊細なプレイを見せる一方、「Right Next Door to Hell」では攻撃的なビートで楽曲を牽引しています。使用機材としては、タマのドラムキット、ジルジャンのシンバル、レモのドラムヘッドが知られており、これらが彼の重厚かつクリアなサウンドを支えています。

業界・ファンからの評価

音楽業界において、マット・ソーラムは非常に信頼性の高いプロフェッショナルなドラマーとして評価されています。スティーヴン・アドラーと比較されることもありますが、レコーディングや長期ツアーにおける安定性という点では、ソーラムの評価は極めて高いものです。ファンからも、「ガンズ・アンド・ローゼズの後期サウンドを完成させた存在」「Use Your Illusion期の重厚感はマット・ソーラムによる貢献が大きい」といった声が多く見受けられます。自己主張を抑え、常に楽曲を最優先する姿勢こそが、長年にわたり支持され続けている理由と言えるでしょう。

マット・ソーラムの代表曲・名演奏

マット・ソーラムの魅力は、楽曲の世界観を崩さずに推進力を与える安定したビートと、要所で効かせる重厚なフィルインです。ガンズ・アンド・ローゼズの「Use Your Illusion I」「Use Your Illusion II」を中心に、ザ・カルト「Sonic Temple」などでも印象的なプレイを残しており、作品ごとに役割を変えながらバンドサウンドを成立させています。ここでは、代表曲と名演奏を固有名詞込みで整理いたします。

キャリアを代表する楽曲

ガンズ・アンド・ローゼズでの代表的な参加作品は、「Use Your Illusion I」「Use Your Illusion II」、およびライブ作品「Live Era ’87-’93」です。特に「You Could Be Mine」(Use Your Illusion II)では、スラッシュのリフを前へ押し出す硬質な8ビートが核となり、アクセル・ローズのボーカルを強く支えています。また「Don’t Cry」(Use Your Illusion I / Use Your Illusion II)では、バラードでもテンポの揺れを抑え、曲全体の感情の流れを整える役割を果たされています。さらに「November Rain」(Use Your Illusion I)では、ダイナミクスを大きく取りながらも過剰に主張せず、オーケストレーションとバンドをつなぐ土台として機能している点が、ソーラムらしい仕事と言えます。

ドラムが際立つ名演奏

マット・ソーラムの名演奏として語られやすいのは、曲の要所でサウンドの厚みを増すアプローチです。例えば「Right Next Door to Hell」(Use Your Illusion I)では、タイトなリズムでバンド全体の攻撃性を引き上げ、ギターの切れ味を際立たせています。逆に「Estranged」(Use Your Illusion II)のように展開が多い楽曲では、フィルインを入れ過ぎず、リズムの骨格を保ちながら場面転換を丁寧に支えています。ザ・カルトの「Fire Woman」(Sonic Temple)でも同様に、曲のエンジンとしてビートを前に出し、ボーカルのイアン・アストベリーとギターのビリー・ダフィーを気持ちよく乗せる演奏が印象的です。派手さよりも楽曲最優先の判断が、結果として名演奏として残っている点が特徴です。

ライブで評価の高いパフォーマンス

ライブ面では、長尺曲や大規模会場でも崩れにくい安定性が高く評価されています。ガンズ・アンド・ローゼズのセットでは「Paradise City」や「Welcome to the Jungle」といった初期の代表曲も演奏されますが、ソーラムはテンポを大きく走らせず、バンド全体の呼吸を揃える役割を担っていました。ライブ作品「Live Era ’87-’93」では、アクセル・ローズの歌の間やギターソロの裏でビートを一定に保ち、観客の熱量を落とさずに次の展開へつなげている点が分かりやすいです。機材面では、タマ(TAMA)のドラムキットを軸に、ジルジャン(Zildjian)のシンバル、レモ(REMO)のドラムヘッドといった定番構成で、太く抜けるロック向きの音作りを志向されています。こうした堅実なセッティングと演奏姿勢が、ライブでの信頼につながっていると考えられます。

スラッシュズ・スネイクピットなど他バンドでの活動

マット・ソーラムは、ガンズ・アンド・ローゼズ在籍時およびその前後において、複数のバンドやプロジェクトで活動されてきました。中でもスラッシュズ・スネイクピットでの活動は、彼のキャリアを語る上で欠かせない要素となっております。本章では、ガンズ以外での代表的なバンド活動と、その中で果たした役割について詳しく解説いたします。

スラッシュズ・スネイクピットでの役割

スラッシュズ・スネイクピットは、スラッシュが主導して結成したプロジェクトであり、マット・ソーラムはドラマーとして参加されました。1995年に発表されたアルバム「It’s Five O’Clock Somewhere」では、「Beggars & Hangers-On」や「Neither Can I」などの楽曲で、荒々しくもタイトなドラミングを披露しています。ガンズ・アンド・ローゼズよりもブルース色の強いサウンドにおいて、ソーラムは過度な装飾を排し、グルーヴを前面に押し出す役割を担っていました。スラッシュのギタープレイとの相性も良く、リズム隊として楽曲の推進力を高めています。

他バンド・プロジェクトへの参加

マット・ソーラムはスラッシュズ・スネイクピット以外にも、ガンズ関連の派生バンドや外部プロジェクトに参加されています。代表的な例として、ギタリストのギルビー・クラークやベーシストのダフ・マッケイガンとの共演が挙げられます。また、セッションドラマーとしても活動し、複数のアーティストのレコーディングやライブを支えてきました。これらの活動を通じて、特定のバンドカラーに縛られず、楽曲ごとに最適なリズムを提供できる柔軟性を発揮されています。

ガンズ時代との音楽性の違い

ガンズ・アンド・ローゼズ在籍時と比較すると、他バンドでのマット・ソーラムは、よりシンプルでルーツ志向のドラミングを志向されている点が特徴です。スラッシュズ・スネイクピットでは、構成のシンプルなロックナンバーが多く、細かいフィルインよりもビートの持続力が重視されています。この違いは、ソーラムが楽曲やバンドの方向性を理解し、それに合わせて演奏スタイルを調整していることを示しています。結果として、どのプロジェクトにおいても「バンドサウンドを安定させる存在」として高く評価され続けているのです。

マット・ソーラムの現在の活動と近況

マット・ソーラムは、近年は大量の作品を発表するタイプのアーティストではありませんが、ドラマー、プロデューサー、ソングライターとして断続的に活動を続けております。本章では、近年の具体的な活動内容を年表的に整理し、関わった人物や作品、プロジェクト名を明確にご紹介いたします。

現在参加している音楽活動とプロジェクト

2000年代以降、マット・ソーラムはフルタイムのバンド活動から距離を置きつつ、選択的に音楽プロジェクトへ参加しています。2012年には、ガンズ・アンド・ローゼズの元メンバーであるギルビー・クラーク、ダフ・マッケイガンらと共に、バンド「ロード・トゥ・ガンズ(Road to Guns)」関連イベントへ関与しました。また、スラッシュズ・スネイクピット終了後も、スラッシュとは友好的な関係を維持しており、リハーサルやセッションでの共演が確認されています。定期的なバンド活動ではなく、信頼関係のある人物との限定的な音楽活動が現在のスタイルとなっております。

ソロ活動・制作面での取り組み

マット・ソーラムは2014年、自身のバンド名義でアルバム「Hollywood Zen」を発表されています。本作では、ドラマーでありながらボーカルも担当し、ソングライターおよびプロデューサーとしての側面を強く打ち出しました。参加ミュージシャンには、デイヴ・クシュナー(ヴェルヴェット・リヴォルヴァー)やブライアン・レイ(ポール・マッカートニー・バンド)などが名を連ねております。この作品は大きな商業的ヒットには至りませんでしたが、彼の音楽的ルーツや内省的な作風を示す重要な作品として評価されています。

年表で見る近年の活動と関係人物

2010年以降の主な動きを整理すると、以下のようになります。
2010年頃より、ガンズ関連の大規模ツアーからは距離を置き、限定的なライブ出演に移行。
2014年、ソロアルバム「Hollywood Zen」を発表。プロデュースおよび全体構成を自ら担当。
2016年以降、音楽活動と並行してアート制作や写真活動にも取り組み、ロサンゼルスを拠点に個展を開催。
2020年代に入ってからは、表立った新作リリースは少ないものの、過去作品の再評価やインタビューを通じて発言を続けております。関係人物としては、スラッシュ、ダフ・マッケイガン、ギルビー・クラークといった旧知の仲間との交流が現在も確認されています。

ファンが把握しておくべき近況のポイント

現在のマット・ソーラムは、ツアー主体のロックドラマーという立場から、創作活動全般を自分のペースで行うアーティストへと移行されています。新作アルバムや大規模プロジェクトの予定は公表されていないものの、過去のキャリアや作品に対する発言、限定的なコラボレーションには引き続き注目が集まっています。寡作である一方、関わる際は深く携わる姿勢が一貫しており、その点が長年にわたり支持されている理由の一つと言えるでしょう。

まとめ

マット・ソーラムは、ガンズ・アンド・ローゼズの黄金期を支えたドラマーとして知られる一方で、ザ・カルトやスラッシュズ・スネイクピットなど、多彩なバンド活動を通じて確かなキャリアを築いてきました。派手さよりも安定感と楽曲重視の姿勢を貫くドラミングは、多くのミュージシャンから信頼を集めています。現在は寡作ながらも、ソロ作品や限定的な音楽活動、制作分野での取り組みを続けており、その歩みは今なおロックファンの注目を集めています。

いなたいドラマーのスティーブンアドラーと対照的なドラマー マットソーラム、両者にはそれぞれの魅力と持ち味を感じます。

僕が初めて聴いたのは『ザ・スパゲティ・インシデント?』(”The Spaghetti Incident?”)でした。原曲よりもハイクオリティな演奏で激し目のカバーアルバムの金字塔です。タムを駆使したフィルテクニックも参考になります。

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